ご購入の流れ

日経アートからのお知らせ

トップページ > 日経アートからのお知らせ > 「3・11以降」時空を超えて『石踊達哉展』を見てきました

「3・11以降」時空を超えて『石踊達哉展』を見てきました

R0026370_hp

先月4月6日から6月8日まで、京都の相国寺承天閣美術館で開催されている、“「3・11以降」時空を超えて『石踊達哉展』”を拝見してきました。

承天閣美術館は、地下鉄烏丸線・今出川駅からゆっくり歩いても10分ほどで着くことができます。今出川駅の上には、NHK大河ドラマ『八重の桜』の主人公・新島八重の夫である新島襄が創立した、同志社大学があります。

同志社大学の横の道をまっすぐに進むと、相国寺入り口があり、早速『石踊達哉展』の看板を見つけることができました。

 

 

 

R0026379_hp

相国寺本堂の前を通りすぎ、奥へ進むと承天閣美術館の入り口があります。

今の期間はちょうど春の特別拝観を行っていましたので、ご興味のある方はこの期間を狙うと良いのではないでしょうか。(詳しくは承天閣美術館HPをご覧ください)

 

 

 

R0026381_hp

美術館まで、少しだけ石畳の道を歩くことができます。梅雨入り前の鮮やかな若葉を楽しみつつ、中へ…

ちなみに、こちらの美術館では“土足現禁”となっていました。柔らかな絨毯の上を歩けるので、リラックスしながら鑑賞することができました。

 

 

 

 

展示は、瀬戸内寂聴氏の現代語訳版・源氏物語の装丁画や金閣寺方丈杉戸絵などの代表的な作品のほか、コンテンポラリーアートのような作品まで、様々な表現を楽しむことができるものでした。描かれた“とき”も、描き出す“ところ”も、まさに時空を超えており、石踊氏の画業を縦横無尽に展観するものでした。

日本画ならではの鮮やかな深い朱色と群青色にポイントを置きつつ、写実とデザインの間を自由に往来する作品は、見る者を不思議な感覚にいざなうようでした。

また、テーマにもなっている「3・11以降」については、表現者として震災に向き合い、鑑賞者に間接的に“3.11の記憶”を忘れぬよう、優しく想起させるような作品が展示されていました。残酷さを浮き彫りにするのではなく、希望が広がるような印象を持ちました。

R0026385_hp美術館の中には、コンクリートを固めて作られた枯山水を思わせる中庭があります。こちらは第一会場から第二会場への移動の途中、眺めることができます。

 

 

 

 

 

 

 

 

R0026388_hp

こちらは第二会場手前、「十牛の庭」です。「十牛禅図」をモチーフにしているそうです。作品を楽しむ合間に、お庭を眺めて一息つくことができます。

 

 

 

 

 

第二会場では、伊藤若冲筆「鹿苑寺大書院障壁画 葡萄小禽図床貼付」「鹿苑寺大書院障壁画 月夜芭蕉図床貼付」が常設展示されています。実際の障壁画と、書院そのものが一つの空間として展示されていますので、とても迫力がありました。

一目ですぐに分かる“石踊様式”は、今昔に依らず、常にそのアイデンティティを保ち 続けていますが、その中にも日々の進化を感じることができました。きらびやかな金使いや、極彩色に目を奪われるなか、よくよく見てみると和紙の地紋のよう な模様がびっしりと描き込まれている作品があることに気付きます。

絵を邪魔しない存在感ながら、それ でいて画面全体の雰囲気を掌握しているのは、その描きこみの緻密さゆえではないかと感じました。石踊氏の作品には、時おりシンメトリーを強く意識した構図 を見ることができますが、それも石踊氏が作品を一つのデザインとして捉え、完成図全体の空気感までもプロデュースをしていることの、一つの証明なのかも知れないと思い ました。

展示は6月8日までになりますので、ぜひ皆様でお運びください。