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日経アート特別新企画・『注目のアーティスト特集』

【日経アートが注目するアーティスト特集】

日本画・洋画・陶磁器・金工・人形・ガラス・・・アートの世界はジャンルが多く、また著名な作家を挙げるだけでも果てしない気がします。現代アートにおいても、立体・写真・映像・音楽・空間・パフォーマンスなどなど、さらに幅が広がります。そしてその評価や感じ方も十人十色、様々で無限です。

日経アートでは、気鋭の新人や人気アーティスト、また業界において重鎮といわれる作家など多くのアーティストの作品を販売していますが、本特集では、そういったジャンルの壁を越え、また国内外を問わず、日経アートが注目する芸術家についてその人物像や作品、活動状況などを独自の視点で紹介していきます。

 作家が作品制作において表現する意味や価値、そして可能性に寄り添って、作家の" いま " を作品を通じて皆様にお届けできれば幸いです。

 

【第2回】唐津焼の未来を拓く・中里健太

使い手に寄り添う純粋な思いが作陶の基本- 

佐賀県唐津市の緑豊かな里山にある隆太窯。1974年、陶芸家であり日本の陶磁器研究者の小山冨士夫先生により“隆太窯”と命名され、唐津焼の人間国宝にもなった12代・中里太郎右衛門氏の5男で、健太氏の祖父・中里隆さんが開窯しました。現在、父の太亀さんと共に親子三代にわたり、轆轤、登り窯、ガス窯、電気窯を備えた自然豊かな工房で作陶を続けています。

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中里健太氏は、1993年生まれ。温かな家庭の恵まれた環境で育ちますが、「自分は何も知らない田舎者だ」と感じ、出来るだけ外に出て色々なものを見るよう意識して生活していたそうです。 18歳の頃、1年間ニュージーランドで過ごし、帰国後はファッション関係の勉強も続ける中で、自分がどのように社会とかかわっていこうかと具体的に考えはじめたとき、あらためて陶芸と向き合う気持ちになったといいます。真面目な性格の健太氏は、そのとき立ち止まって考えていなければ、そのままファッションの業界で働いていたかもしれないと振り返ります。

 

ご両親も本人の意思を尊重する自由なお人柄。健太氏は、家業への重圧感にしばられることなく、自身の将来についてひろく考え、色々な可能性の中から自ら選択した道だからこそ、現在、厳しい修行を乗り越え、陶芸の世界にのめりこむことができているのでしょう。 父である師匠の太亀氏への3年間の弟子入り後も、本人はあくまでもスタッフの一人として働く裏方だと思っているそうです。「3年間できちんと技術を習得するのは本当に難しい」と感じる健太氏は、師匠からの卒業を許された現在も初心を忘れずひたすらに作陶と向き合っています。そして、自らの想いや考えを主張することよりも、まず会社の中で求められている仕事を着実にこなしていくことが今の自分の役割だ、ともいいます。しかし、「制作していく中で様々な問題に直面することもありますが、限られた時間と原料、窯の中でどうやりくりすれば納得いく作品をつくれるかを考え、行動するのが私の仕事です」と熱く語る一面もあります。

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そのようなまっすぐな思いを抱き作陶する健太氏。日々の生活の中で、家族で食事をするときやちょっと休憩するとき、また、友人や仲間とお酒を呑み、語り合う「楽しい」と思える時間にそばにある器であれたらとの思いで作陶しているそうです。自身の作る器を通して「こんなに楽しい食事があるんだ」とか、「こんな空間でくつろぐと気持ちいいな」と感じていただけたら幸せだ、と健太氏が言うように、氏の作品に家族のようなぬくもりやあたたかみを感じる方も多いことと思います。

 

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隆太窯の作品は粉引、絵唐津、三島唐津、唐津南蛮などの幅広く奥深い伝統を踏まえて作られています。そこに使い手に寄り添った思いが加味されるのが健太氏の作品です。 若手作家が個性を競い、華やかで人目を惹く作品を次々と生み出す昨今、健太氏の作品は、どこか郷愁を誘うような、しっくりと手に馴染む、そして愛着のわく平和な日常の器たちなのです。

 

中里健太「三島片口」と「斑唐津ぐい呑」

 

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- お酒をいただく際においしく吞めるように様々に工夫します。

水切れがいいか、重すぎないか、軽すぎないか、口あたりはどうだろう・・・

制作するたびにもっとこうしたいという思いをもって制作します -

 

 

 

 

 

【第1回】オリジナリティ豊かな作品を制作する若き現代アーティスト・田中聖子

 - 海外生活で培われた独特の感性で日本を表現し作品を創り出す- 

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8歳から海外での生活を繰り返してきた田中氏は、自身の置かれた環境の中で様々なアートに触れ、 

それにより特異の感性が培われた。そして日本人という自身のアイデンティティも加わり、 

田中氏ならではの独特の作風で現在作品を制作している。

田中氏が作品制作のテーマとしているのはHumanimaliving®」(ヒューマンアニマルリビング)。

これは田中氏が考案した言葉で、人間」「動物」「生活」を一つに融合させたものである。 

人や動物、物や食べ物、そして自然や建物や家具・・・

生きているものもそうでないものもそれぞれにみんな魂があり、そしてみんな平等。

それらに囲まれて日々を過ごしていることに田中氏は幸せや感謝を感じ、そしてその思いをキャンバスに 

ストレートに表現している。 

田中聖子氏との出会いは数年前、とあるレストランのオーナーシェフの紹介によるものだった。 

「すごく楽しい絵を描くアーティストが来ているから紹介するよ」

そのオーナーシェフは世界各地で日本食レストランやホテルを経営している方で、お店には多くの著名人やアート関係者が来られている。そして自身も大変なアートコレクターであり、もちろん田中氏の作品も所蔵、ロサンゼルスのレストランに飾っている。そのシェフがご紹介くださる人物ということでいったいどんな方だろう、と興味津々でいた。そして物静かな雰囲気の色白で聡明な表情をした田中氏を紹介されたのだ。

 田中氏の作品を初めて拝見したのは、その出会いから半年ほど経ってからのこと。

 作品の第一印象はシェフの言葉通り、「元気をもらえる作品だなぁ」というものだった。

 赤や黄色、青や緑などの鮮明な色を使った作品は大胆でパワフルだが、しかしどこかユニークでコミカル、そして優しさを感じるものである。それはやはり田中氏の「幸せ」や「感謝」の思いが作品に反映されているからなのであろう。

 田中氏の作品を代表する『富士馬』は、タイトル通り富士と馬をコラボさせた作品。

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 クロスさせた2頭の馬の頭部を日本の象徴、富士山に見立てた作品で、細部には桜や菊紋のほか青海波や格子など日本の伝統文様が随所に描かれている。また馬そのものも古くから「神様の乗り物」として最強の縁起物と言われていることから、この作品は「今風吉祥作品」ともいえる。現代的な作風でありながら描かれているものが日本的であるのは、外国での暮らしの中で確立された自身のアイデンティティによるものと思われる。

そしてもう一つの代表モチーフ『プードルマン』は、田中氏のテーマHumanimaliving」(ヒューマンアニマルリビング)をまさに表現したもので、カラーバリエーション豊かな作品シリーズとなっている。この作品を色違いで何点か並べて飾ると、きっと楽しいだろう。

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これら絵画制作のほかにも、ローソクの老舗で国内最大手メーカー「カメヤマローソク」とのコラボレーションキャンドルや京都の老舗呉服店「河内屋」監修の京丹後織 富士馬シルククッションなど絵画の世界から飛び出し日々の暮らしの中で一緒に過ごせるモノづくりにおいてもアートを表現している。

これからさらに活躍の場を広げていくであろう若き田中聖子氏。ますます目が離せない。 

 

田中聖子氏の カラーパンフレットのご請求は こちら

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